第三回は【トラックを追加】です
Cubaseに限らず、DAWの殆どが【トラック】という概念があります。
陸上100メートル走を思い浮かべて下さい。
それぞれの選手が走る幅に線が敷かれてますね。選手はその間を走ります。
よーいどん、で一斉にスタートします。
それが【トラック】です。100メートル走は誰が一番先にゴールに着くか、を競いますが、DAWの場合、みんなでオテテ繋いで一緒に走ります。
ピアノも、ドラムも、ベースも、ストリングスも、ギターも…。
そうやって「合奏」になるわけです。
この【トラック】が多い程、多くの楽器が関わる楽曲になります。
よく、DAWの写真をTwitterにアップしてる人がいますねー。
「みんなコレを見てくれ、オレ、140トラックの曲作ったぜ」と
何やらたくさん横線が引いてある画面をアゲていますね。あれ一本一本が【トラック】です。
ところが、ここで難民になる人が大変多いのです。
今回は細かすぎるくらい解説しますよ。
前回、ドラムトラックを作りましたね。音はちゃんと出ましたか?
そこまでなんとかたどり着いて下さい。今回はその続きです。
今回の目的は ピアノのトラックを追加する ことです。
1.音源側の設定
音源はHalion Sonic SEが起動しているはずですね。ドラムの音色が【1】にあてがわれています。1ー16まで、ずらっと並べられています。
これは、全部で16種類の音色を、一つのプラグイン(音源ソフト)で同時に扱えることを意味しています。
この事を「マルチティンバー」と云います。
左に並んでいる番号は「チャンネル番号」です。
1-16までありますね。
Mは、ミュート(消音)です。触っちゃ駄目。
Sは、ソロです。これも触っちゃ駄目。
今読み出されている音色の名前です。
前回ドラム音を読み出したので、
[GM 128]Stereo GM Kit
が読み込まれています。
ちなみに[GM]とはGeneral MIDIの略です。
よーするに「基本音色」って意味。
GMと名のついている音色は、まーようするに普通ってことです。
ドラムと一言にいっても、いろんなドラムがあるわけです。
ロック、ジャズ、パンク、テクノ…
それに対して、GMは「当たり前の音」がしてくれる「基本音色」であることを意味しています。
この逆三角模様をクリックすると、音色一覧が出ます。
これは後ほど。
メイン画面を見ます。
トラックの情報の部分をよく見ましょう。
これ罠です
この数字は「全部で何トラック使ってるか」という数字であって、正確には「トラック番号」「チャンネル番号」とは
全くの無関係です。
大切なのはこの番号じゃない。
水色枠がとても重要な部分。
こんなに重要なのに何故これほど小さいのか理解に苦しむ。Cubaseェ…
これは選択しているトラックを、どこから入力してどこから出力するか、という、たいーへん大事な所。
実際には「入力」は「All Input」ってなっています。これはこのまま。
重要なのは「出力」です。
ここが「Halion Sonic SE」が選ばれていることが重要。
ここの数字が「チャンネル番号」です。
「1」になっています。
Halion Sonic SEの「1ch」に、送信します、ってことですね。
トラックのここの数字と連動しています。
2.いよいよ、【トラックを追加】に挑戦
よし、やるぞ!
メインツールの中から
「プロジェクト」を選択
「トラックを追加」
↓
「MIDI」
「MIDIトラックを挿入」が表示されます。
まって! 罠よっ 罠があるのよっ!!
わたしの友人などは、これに触れたばっかりに…、いろいろ面倒な事になりました。
「検索」というボタンを押すと大変厄介な事に巻き込まれるので、決して触れないように。(大げさではない、本当に)
「トラックを追加」をクリック。
すると、何事も無かったかのように、「MIDI 01」というトラックが追加されています。
この段階では、打ち込んでも何も音が出ません。
ただの空トラックを作っただけですからね。
水色枠の数字が「2」になていることを確認してください。
そして、「Halion Sonic SE」の画面が表示されていない場合には、黄色に表示されている…電車の正面みたいなマーク(プラグインエディットボタン)をクリックすると、Halion Sonic SEの画面が表示されますので、表示してください。
「Halion Sonic SE」の2段目の逆▼マーク
「Load Program」をクリックします。
出たー!
数あるDAWの中でも、ひときわ使いづらいと評判のブラウザです…
まず、水色枠の「選択済み」のものを、クリックして外します。
素の状態。わたしはCubase9を持っているので、音色がわんさかありますが、CubaseAI9だとあまりありません。
カテゴリーから「Piano」を選ぶと…
右側に、選択できる「ピアノの音色一覧」が表示されます。一番上の「Acoustic Grand Piano」をクリック。
読み込みが始まって
2の所に
[GM 001]Acoustic Grand Piano
が読み込まれます。
ここまできたら、Halion Sonic SEは一旦
表示を消してもOKです。
右上の「X」をクリックすれば消えます。
メイン画面の、ツールの中から鉛筆を選びます。
MIDI 01のトラックにブロックを作ります。
前回の「ドリル2」でブロックの作り方はやりましたね。
鉛筆でドラッグすれば作れます。
作った時点で画面下にはピアノロール画面が出ます。
水色枠の「鍵盤部」をマウスでクリックすると
ピアノの音が出るはず!!
出なかったら…、何か設定がおかしいので、ドリル2まで戻って確認してください。
水色枠の部分は、「ブロックの範囲」です。この範囲にのみ音を打ち込みすることができます。打ち込み範囲を広げたい場合には、ブロックを長く伸ばしましょう。
打ち込めましたか?
大事なのはトラックとチャンネルの関係を理解すること
トラック=チャンネル、だと思っている人も多いのですが、実際には違います。
下図の場合だと、同じに見えます。
しかし、CubaseなどのDAWの場合、この関連付けが柔軟に自由に出来るのです。
…これが、実は「固定された機材で作ってた人」には混乱する部分です。
もともと固定の機材(QY100などのシーケンサー、バンブラなど)では、無い概念です。
DAWの場合、場合によっては上記のような事も必要になる事があるのです。
本来なら右図のように、各トラックがそれぞれのチャンネルに関連付けされていれば、見た目では「イコール」に見えます。
ですが、例えばピアノを右手・左手、とトラック分けしたい、ギタートラックを伴奏のパターンごと分けたい、でも、出ている音色は一つ、という場合には
複数のトラックを、1チャンネルにまとめて送り出す、ということもあるのです。
これが、トラック=チャンネルではない、という事です。
今回はここまでです。
DTMはトラブルがつきものです。是非何度もトライしてください。
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